プリオン病国際医師主導治験獲得のためのプリオン病早期診断基準の作成と非侵襲性診断法の開発

 この研究班は令和5年度「難治性疾患実用化研究事業」①ゲノム・データ基盤プロジェクトにおけるA. 診療に直結するエビデンス創出研究分野で採択させています。
 研究班名はプリオン病国際医師主導治験獲得のためのプリオン病早期診断基準の作成と非侵襲性診断法の開発です。
研究班メンバー
班長 佐藤 克也 国立大学法人長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科
塚本 忠 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
病院 医療連携福祉部
三條 伸夫 国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科
脳神経病態学(神経内科)分野
藤田 浩司 国立大学法人徳島大学 病院
阿江 竜介 自治医科大学地域医療学センター公衆衛生学部門
1. はじめに
 本研究にかかわるすべての研究者は「ヘルシンキ宣言(2013年10月改訂)」および「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成26年度文部科学省・厚生労働省告示第3号)(平成29年2月28日一部改正)」を遵守して実施する。
 本研究は、長崎大学医歯薬学総合研究科倫理委員会の承認および研究機関の長の許可を得て実施する。
2. 研究の背景
 古典的プリオン病では発症から3ヶ月程度で急速に悪化し無動無言に至るために、発症後超早期での迅速な診断が必須である。また本年イギリスより治療薬候補が報告され治験が開始されている。我々が見いだした既存薬を超早期から投与することによる効果が期待されている。これまでの研究班による長年の研究とAMEDのエビデンス構築のグラントの成果により、2021年国際共同研究にて新規診断基準を作成していた。プリオン病の病気の克服には「プリオン病の早期診断・早期治療」を実現しなければいけない。今後抗体療法やsiRNA療法に対する国際共同治験が始まろうとしている。国際共同治験を獲得・開始するために整備し、「プリオン病の早期診断・早期治療」を実現するためのプリオン病の早期診断基準を作成しなくてはならない。
3. 研究の目的・意義
 抗体療法やsiRNA療法に対する国際共同治験の参入を目指し発症超早期の確定診断を可能とするため、臨床症状に加え、現在の診断におけるバイオマーカー(MRI,脳脊髄液、脳波、脳血流シンチ)に対するエビデンス構築を行い、ひいては診療ガイドラインの改定に活かすことを本研究の目的とする。さらに医師主導治験獲得に向け超早期診断のための診断基準を目指し、一方で非侵襲性生体材料からの診断法を確立する。

この研究班の目的は4つあります。
(1) 新規診断基準の有用性
(2) 早期診断基準の作成とその有用性
(3) 2世代QUIC法の開発
(4) 非侵襲性組織から診断法の開発