未発症/発症超早期の家族性(遺伝性)プリオン病の臨床調査研究

研究班メンバー
班長 佐藤 克也 国立大学法人長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科
  石橋 大輔 国立大学法人長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科
水澤 英洋 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 理事
塚本 忠 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
病院 医療連携福祉部
山田 正仁 国立大学法人金沢大学 医歯薬保健研究域医学系
脳老化・神経病態学(神経内科学)
浜口 毅 国立大学法人金沢大学 医薬保健研究域医学系
佐々木 真理 学校法人岩手医科大学 医歯薬総合研究所
超高磁場MRI診断・病態研究部門
三條 伸夫 国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科
脳神経病態学(神経内科)分野
坪井 義夫 学校法人福岡大学 福岡大学 医学部医学科
高尾 昌樹 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 臨床検査部
岩崎 靖 学校法人愛知医科大学 加齢医科学研究所
春日 健作 国立大学法人新潟大学 脳研究所 生命科学リソース研究センター
遺伝子機能解析学分野
岸田 日帯 公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター 神経内科
瀧山 嘉久 国立大学法人山梨大学 大学院総合研究部医学域 神経内科学講座
雪竹 基弘 学校法人国際医療福祉大学・福岡保健医療学部 医学検査学科
高嶋 浩嗣 独立行政法人国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター 神経内科・脳神経内科
寺田 達弘 独立行政法人国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター 神経内科・脳神経内科
藤田 浩司 国立大学法人徳島大学 病院
1. はじめに
 本研究にかかわるすべての研究者は「ヘルシンキ宣言(2013年10月改訂)」および「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成26年度文部科学省・厚生労働省告示第3号)(平成29年2月28日一部改正)」を遵守して実施する。
 本研究は、長崎大学病院臨床研究倫理委員会の承認および研究機関の長の許可を得て実施する。
2. 研究の背景
 古典的プリオン病では発症から3ヶ月程度で急速に悪化し無動無言に至るために、発症後超早期での迅速な診断が必須である。これまでの研究により、プリオン病の補助診断法としてMRI拡散強調画像と髄液バイオマーカー検査の有用性が明らかになった。さらにここ3年間でリポジショニング治験(既存薬であるFK506)を推進したいと考えており、早期診断基準の確立が必要とされている。その前提で我々は2019年診断基準の有効性の検討により早期診断基準の草案を作成した。その早期診断基準の有効性を検証するために遺伝性プリオン病の発症リスク保有者の把握及びその未発症症例の画像検査及び生体材料(血液、尿、髪の毛)を採取し、リスク保有者の発症に至る経緯を解明し、早期診断基準の感度・特異度を検討し、問題点を明らかにすることを本研究の目的とする。
3. 研究の目的・意義
 本研究では早期診断基準の作成に必要なエビデンス構築のために、遺伝性プリオン病の発症を待たず発症リスクの保有を把握できる遺伝性プリオン病(遺伝性CJD、家族性致死性不眠症(FFI)、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病(Gerstmann- Sträussler-Scheinker:GSS)に着目し、発症前または発症超早期の遺伝性プリオン病の発症リスク保有者の把握及びその未発症の症例の画像検査及び生体材料を採取し、リスク保有者の発症に至る経緯を解明し、早期診断基準の有効性を検証する。
4. 選択基準
 本調査研究は、遺伝性プリオン病を対象とする。
 遺伝性プリオン病は、家族性クロイツフェルト・ヤコブ病(familial Creutzfeldt-Jakob Disease: fCJD)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病 (Gerstmann- Sträussler-Scheinker:GSS)、致死性家族性不眠症(Fatal familial insomnia:FFI)などからなる。
(1) 家族性クロイツフェルト・ヤコブ病:
E200K: 我が国の遺伝性プリオン病の中では3番目の頻度(欧米では最も頻度が高い)。浸透率が高い。平均発症年齢は58歳。平均罹病期間1.1年。
(2) ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病:進行性の小脳失調、認知症を呈する。P102L, P105L, A117V, G131V, Y145STP, H187R, F198S, D202N, Q212P, Q217R, M232T, 192bp insertionなどの遺伝子変異がある。
P102L:本邦のGSSの大部分(約80%)を占める。九州に症例が多い。同一家系内に発症者が認められる。初発年齢の平均は50歳台、全経過は4-7年程度である。小脳症状(体幹失調による歩行障害・構音障害)で発症し認知症が出現したのちに急激に進行し死に至る。
P105L:P102Lに次いで多い変異。平均発症年齢は40歳台から50歳台。痙性対麻痺による歩行障害とする例や、小脳症状、筋強剛、不随意運動などで発症する例がある。同一家系内での発症例があるが、同一家系内とはいえ多彩な症状の相違がある。緩徐進行する。
(3) 致死性家族性不眠症:発症年齢は20歳台から70歳台と幅広く、遺伝形式は常染色体優性遺伝である。D178Nの変異があり、この変異がコドン129のMetと同一遺伝子(アレル)上にある場合、FFIの病態となり、同一アレルのコドン129がValの時にはクロイツフェルト・ヤコブ病と同様の病態となる。全経過は7か月~3年である。
5. 申込み手順
手順表

①下記の 「症例登録表」ダウンロードし、ご記入(入力)の上、
メール E-mailsme.datacenter_info@hugp.com
で申し込みお願いいたします。

ダウンロード 「症例登録表」 MS-Excel(MS-Excel 112KB)
② 受付:手続き番号の発行・メールによる送付
下記の「記述部位」をダウンロードし、
② の手続き番号の発行メールに記述の【注意事項】に留意し、
同意書を( E-mailsme.datacenter_info@hugp.com
satoh-prion@nagasaki-u.ac.jp
へお送りください。

ダウンロード 「同意書」 PDF(MS-Word 313KB)
ダウンロード  倫理委員会の書類
1「倫理委員会申請書」 PDF(PDF 545KB)
2「研究計画書」 PDF(PDF 551KB)
3「同意書」 PDF(PDF 313KB)
4「リーフレット(研究へのご協⼒の御願い)」 PDF(PDF 400KB)
「研究許可書」 PDF(PDF 1.3MB)