保健学科について

保健学科長あいさつ (受験生の皆さんへ)
  •  “ヘルスサイエンス”の学舎、
          保健学科へようこそ
  • 長崎大学医学部
    保健学科長
    沖田 実


 受験生の皆さんならびに保護者の方々など、長崎大学医学部保健学科のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。進路についてはいろいろと悩まれていることが多いかと思いますので、このホームページに記載されている内容が少しでも皆さんの進路選択の助けになれば幸いです。

 さて、このホームページの左上には長崎大学医学部保健学科の英語表記として「School of Health Sciences, Nagasaki University」と記載されています。つまり、保健学科とは「ヘルスサイエンス」の学舎という意味があり、赤ちゃんから高齢者まで、すべての人の健康を守り、助けるための「科学(サイエンス)」を学びます。そして、ヘルスサイエンスの担い手である看護師、理学療法士、作業療法士といったメディカルスタッフ(医療専門職)を育成します。

 ご存じのように、近年の救急救命医療や再生医療などの発展はめざましく、これまでは亡くなっていた命が助かるようになり、わが国は「人生100年時代」といわれる超高齢社会を迎えようとしています。しかし、その反面、病気や障がいを抱えながら生活することを余儀なくされた患者様も増加しています。そして、このような患者様を支えていくのが看護師、理学療法士、作業療法士で、これらメディカルスタッフの必要性・重要性は今後さらに高まることは間違いありません。また、患者様の中には赤ちゃんや失語症の方、認知症を患った高齢者など、言葉によるコミュニケーションがうまく取れない方々も非常に多く、そのため、AIやロボットなどといった最先端技術にとって代われる仕事でもありません。つまり、看護学、理学療法学、作業療法学といった分野はある意味、不滅の医療分野であると言え、皆さんの将来の「夢」をかけるだけの価値があると思います。

 今日の医療は多職種のメディカルスタッフが連携しながら患者様の治療やケアにあたる「チーム医療」が主流になっています。チーム医療とは「医療に従事する多種多様なメディカルスタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者様の状況に的確に対応した医療を提供すること(厚生労働省 2010、一部改変)」を言いますが、実はこのことを実践することは容易ではありません。ですので、長崎大学医学部保健学科の学生は医学科や歯学部、薬学部の学生と共に学ぶ共修科目を通じて学生の頃から「チーム医療」を学びます。また、保健学科と医学科の学生が小さなチームを作り、病院実習を行う取り組みも行っており、チーム医療に関する教育は全国の大学の中でも秀でていると自負しています。

 加えて、長崎大学医学部保健学科は全国から集まった有能な教員ならびに長崎県内外の臨床実習指導者などの基で看護学、理学療法学、作業療法学に関する専門的知識・技術を学び、チーム医療に貢献できる人材、また、日本だけでなく、海外でも活躍できるグローバルな人材の養成にも努めています。ですので、西洋医学発祥の地といわれる長崎大学で、「ヘルスサイエンス」という科学を追い求めていきましょう。