2025年2月26日-3月9日: オランダ・英国研修
2024年度ヨーロッパ研修
2025年2月26日-3月9日に、オランダと英国を訪問しました。COVID-19感染流行のために、2020年度からこの研修プログラムの実施を見送っていました。2023年度に実施再開を検討しましたが、渡航費や現地宿泊費の高騰に伴い、学生の経済的負担が大きく、実施を断念しました。2024年度も引き続き、渡航費や現地宿泊費の高騰は続いていましたが、参加を希望する学生からの問い合わせもあり、企画したところ、7名(看護学専攻5名、理学療法学専攻1名、作業療法学専攻1名)が参加しました。
オランダでは2002年から安楽死が合法化されています。安楽死協会で、オランダの安楽死に関する法制度と今日的課題についてレクチャーを受けました。GP(家庭医)との信頼関係と緊密なコミュニケーション、そして厳格な基準によって安楽死を選択する人たちの意思決定が支えられていることを学び、自らの医療者としての倫理観について考える良い機会になったと思います。ビュートゾルフ(地域包括訪問ケア)のレクチャーでは、リーダーや管理職を置かず、それぞれのチームでスタッフに裁量権が与えられている自律した包括的ケアが提供をしていること、一チーム当たり最大で12名のスタッフで40-50人のクライアントをケアしているとのことでした。また、地域開業助産師クリニックでは、1950年代には78%であった自宅分娩割合が、2021年には13.7%になったこと、COVID-19で医療機関での出産を回避する女性が増加したため、若干自宅分娩割合が高くなったことが報告されました。助産師によるケアの下で出産する女性が減少傾向ではあるものの、日本よりは依然として高く、妊婦ケアでは概ね妊娠期間中に2回程度の超音波検査が行われることや、オランダの助産師のコンピテンシーの高さ等、日本の妊産婦ケアとの違いを比較しながら学ぶことができました。オランダでも平均初産年齢が30歳を超え、子どもを持たない選択をしている女性が増えているとのことでした。学生4名は、実際の助産師による産後の家庭訪問に同行させていただき、産褥看護師との連携・協働についても学びました。
英国では、英国の国民保健サービス(NHS)の仕組みについてレクチャーを受けました。理学療法士や作業療法士の働き方についても学び、自立したリハビリテーション専門職として活躍している姿に学生達も刺激を受けていました。NHSと連携して虐待リスクや社会的課題を抱える家庭へのケアを行っているSocial Care Teamのソーシャルワーカーや小児がんの子どもとその家族へのサポートを提供するチャリティ団体、遠隔地から三次医療機関で治療を受ける子どもの家族のための宿泊施設について研修し、税方式で保健医療サービスが提供されている英国のNHSとそれを補完する様々なサービスによって包括的な支援体制がとられていることが理解できました。地域では、認知症カフェ、メンタルヘルスに課題を持つ人たちのためのリカバリーカレッジ、学習・知的障がい児者の支援を行っているMENCAPでの研修を通じて、社会経済的脆弱性を抱える人々や多様なニーズを持つ人々への支援およびアドボカシー活動を学びました。
英語で質問していた学生も、日本語での質問を通訳してもらっていた学生も自らの英語力のブラッシュアップの必要性を認識し、モチベーションが高まっていましたので、それが継続することを期待しています。
オランダでは2002年から安楽死が合法化されています。安楽死協会で、オランダの安楽死に関する法制度と今日的課題についてレクチャーを受けました。GP(家庭医)との信頼関係と緊密なコミュニケーション、そして厳格な基準によって安楽死を選択する人たちの意思決定が支えられていることを学び、自らの医療者としての倫理観について考える良い機会になったと思います。ビュートゾルフ(地域包括訪問ケア)のレクチャーでは、リーダーや管理職を置かず、それぞれのチームでスタッフに裁量権が与えられている自律した包括的ケアが提供をしていること、一チーム当たり最大で12名のスタッフで40-50人のクライアントをケアしているとのことでした。また、地域開業助産師クリニックでは、1950年代には78%であった自宅分娩割合が、2021年には13.7%になったこと、COVID-19で医療機関での出産を回避する女性が増加したため、若干自宅分娩割合が高くなったことが報告されました。助産師によるケアの下で出産する女性が減少傾向ではあるものの、日本よりは依然として高く、妊婦ケアでは概ね妊娠期間中に2回程度の超音波検査が行われることや、オランダの助産師のコンピテンシーの高さ等、日本の妊産婦ケアとの違いを比較しながら学ぶことができました。オランダでも平均初産年齢が30歳を超え、子どもを持たない選択をしている女性が増えているとのことでした。学生4名は、実際の助産師による産後の家庭訪問に同行させていただき、産褥看護師との連携・協働についても学びました。
英国では、英国の国民保健サービス(NHS)の仕組みについてレクチャーを受けました。理学療法士や作業療法士の働き方についても学び、自立したリハビリテーション専門職として活躍している姿に学生達も刺激を受けていました。NHSと連携して虐待リスクや社会的課題を抱える家庭へのケアを行っているSocial Care Teamのソーシャルワーカーや小児がんの子どもとその家族へのサポートを提供するチャリティ団体、遠隔地から三次医療機関で治療を受ける子どもの家族のための宿泊施設について研修し、税方式で保健医療サービスが提供されている英国のNHSとそれを補完する様々なサービスによって包括的な支援体制がとられていることが理解できました。地域では、認知症カフェ、メンタルヘルスに課題を持つ人たちのためのリカバリーカレッジ、学習・知的障がい児者の支援を行っているMENCAPでの研修を通じて、社会経済的脆弱性を抱える人々や多様なニーズを持つ人々への支援およびアドボカシー活動を学びました。
英語で質問していた学生も、日本語での質問を通訳してもらっていた学生も自らの英語力のブラッシュアップの必要性を認識し、モチベーションが高まっていましたので、それが継続することを期待しています。