事業概要

 近年の医療の高度化・専門分化の進展により、複数の医療スタッフが組織的に診療に取り組むチーム医療の重要性が高まっています。また、リハビリテーションに対するニーズも医療から保健・福祉の領域まで多様化し、それへの科学的根拠に基づいた適切な対応と地域ケアへの貢献が求められています。
 本事業は、医学部保健学科がこれまで取り組んできたチーム医療教育(統合ケア)と、長崎圏域における地域包括ケアネットワークを活かして、「チーム医療実践教育・臨床実習推進プログラム」「高度リハビリテーション専門職養成教育プログラム」を実施する取り組みです。
 「チーム医療実践教育・臨床実習推進プログラム」では学内教育において、他学部との共修を推進し、学生時代から多職種共同の意味を理解することと、臨床実習前教育の充実を図っていきます。
 また、「高度リハビリテーション専門職養成教育プログラム」は、理学療法士及び作業療法士のリカレント教育として位置づけ、臨床における教育者の育成と地域包括ケアに貢献できる人材育成を目的としています。
 本プログラムの実践により、多くの臨床施設及び地域ケアに関わる機関と連携し、質の高い臨床実習指導者、地域包括ケアをマネジメントできる高度な理学・作業療法士を輩出することを目指します。

ロゴマークの意味
 3色の線は、リハビリテーション専門職を目指す者、臨床現場で活躍しているリハビリテーション専門職、地域で活躍するリハビリテーション専門職をそれぞれ表し、同時に本プロジェクトで実施する3つのプログラムを表しています。そして、長崎大学が教育(Education)で支えていくことを表しました。

文部科学省「課題解決型高度医療人材養成プログラム」について
 文部科学省が「高度な教育力・技術力を有する大学が核となって、我が国が抱える医療現場の諸課題等に対して、科学的根拠に基づいた医療が提供でき、健康長寿社会の実現に寄与できる優れた医師・歯科医師・看護師・薬剤師等を養成するための教育プログラムを実践・展開する大学の優れた取組を支援」するものです。本学のプログラムは、上記のプログラムの中で「チーム医療に貢献でき、高い指導力を持ったメディカルスタッフの養成」事業として選定されました。
本事業のプログラムは、学内教育とリカレント教育の2つの視点から構成され、臨床教育・実践の充実と地域包括ケアへの貢献を目指しており、臨床-大学-地域の相互作用に基いた、卒前・卒後の一貫した教育システムを構築していきます。 高度リハビリテーション専門職の養成 -長崎地域包括ケアシステムを活用したプログラム-
【実施主体】長崎大学医学部保健学科 理学療法学専攻・作業療法学専攻
【実施期間】平成26年~平成30年 5カ年間

【プログラム内容】
1. チーム医療実践教育・臨床実習推進プログラム(学内教育)
  <目 的>
チーム医療を実践できる人材養成を目的とした学内教育の強化
実習前教育において教員-臨床実習指導者-学生間の相互作用を図る
<対 象>
理学・作業療法学専攻1~4年次生
<内 容>
チーム医療実践教育
他学部との共修・演習、模擬カンファレンスの実施、三専攻での実習、模擬的ケア会議の実施の導入
臨床実習推進プログラム
早期体験実習、実習前セミナーの実施、介護保険関連施設での演習を導入
※上記プログラムに臨床教授・臨床実習指導者を登用

<養成すべき人材像>
クライエントを中心にしたチーム医療の実際を理解できる。
チーム医療を支える医療専門職者(医師・看護師・理学療法士・作業療法士)の役割を理解できる。
病気や障害を持ったクライエントの生活を理解し、生活課題に対するアセスメントができる。
患者及び実習指導者とのコミュニケーションや医療職としての態度を取ることができる。
理学療法及び作業療法における評価-問題点抽出-プログラム立案-介入を通して効果検証やプログラムの妥当性について考察できる。
地域包括ケアの中でチームアプローチを実践できる。


2. 高度リハビリテーション専門職養成プログラム(リカレント教育)
 
(1) 臨床指導者養成教育コース
<目 的>
質の高い臨床実習指導者の養成と臨床教育の充実
<対 象>
臨床実習教育に携わる理学療法士・作業療法士
<募集人員>
平成28~30年度 各年度 理学療法士・作業療法士 40名
<内 容>
理学療法・作業療法の各疾患に関わるトピックス的内容、クリニカルクラークシップ・コーチング論等、総時間120時間のコースを設定。
臨床教育実習においてOJTと実習モニタリングシステムを導入。

<養成すべき人材像>
科学的根拠に基づいた理学療法・作業療法を実践できる。
理学療法・作業療法の課題に対してEBM検証が実践できる。
教育原理・方法論に基づいた臨床教育を実践できる。
臨床実習において、理学療法・作業療法の実践を通して学生指導ができる。
若手理学療法士・作業療法士に対して、教育・研究に関わるコンサルテーションができる。

(2)

地域包括ケア人材養成コース
<目 的>
地域包括ケアに寄与できる指導力を有する理学療法士・作業療法士の養成
<対 象>
長崎県内の医療及び介護保険分野の理学療法士・作業療法士
<募集人員>
平成28~30年度 各年度 理学療法士・作業療法士 40名
<内 容>
ICFを用いた生活障害の分析とケアマネジメント論、地域包括包括支援センターの理解、介護予防論、地域包括ケア実習(地域ケア会議・サービス担当者会議)等総計120時間のコース設定。
ケアマネジャー、地域包括支援センター職員、訪問リハスタッフ等を講師として招聘。

<養成すべき人材像>
地域包括ケアに関わる職種の役割を理解できる。
地域包括ケアの背景を理解し、必要な理論を習得する。
地域包括支援センターの機能を理解し、地域課題を分析することができる。
介護予防の理論と住民活動への支援の意義を理解できる。
対象者のケアマネジメントにおける課題分析とその対応方法を実践できる。
地域ケア会議において、地域リハビリテーションの立場からマネジメントできる。


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